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コラム

AI想起率とは? 塾・学校が「AIにどう語られているか」を測る3つの指標

AI想起率とは、カフーブランディングが提唱する指標で、保護者や生徒が生成AIに地域や対象を指定して塾・学校をたずねたとき、その名前が候補として挙がるかを示すものです。私たちは、このAI想起率に「ナラティブ一致度」「一次情報サイテーション」を加えた3つの指標で、塾や学校がAIにどう語られているかを測っています。

この記事では、3つの指標がそれぞれ何を見ているのか、なぜいま塾・学校にとって大切になってきたのか、そしてどのように測るのかをご紹介します。

保護者や生徒は、AIにも塾をたずねるようになった

塾や学校を探すとき、検索する。SNSを見る。口コミを見る。そして、AIに聞く。情報の選び方に、新しい入口が加わりました。

生成AI(文章で質問すると、文章で答えを返すAI。ChatGPTやGoogleのAIモードなど)に「〇〇市で中学受験に強い塾は?」とたずねると、AIはいくつかの塾の名前を挙げ、その理由まで答えます。検索結果のようにリンクが並ぶのではなく、候補と推奨の理由がひとつの答えとしてまとまって返ってくるのが特徴です。

AIがあなたの塾の名前を挙げるか。どんな言葉で語るか。それは、これからのブランドの新しい入口です。だからこそ、自分たちの塾がAIにどう扱われているかを、一度確かめておく意味があります。

AI想起率とは:候補として名前が挙がるか

「想起」とは、ある分野を思い浮かべたときに、特定の名前が頭に浮かぶことを指します。AI想起率は、その考え方をAIに当てはめたものです。

測定では、地域や対象を指定した質問をAIに投げ、塾名が候補として挙がるかを確認します。たとえば「〇〇市で、高校受験に向けた個別指導の塾は?」のように、保護者や生徒が実際にたずねそうな聞き方で質問します。

AI想起率は、複数のAIに同じ質問を何度かたずね、回答に挙がった塾名の総数のうち、その塾の名前が挙がった回数の割合で表します。

ここで大切なのは、質問の仕方によって答えが変わることです。地域の指定、学年、目的(中学受験、高校受験、大学受験、補習など)、指導の形(集団、個別)によって、AIが挙げる候補は変わります。ひとつの質問だけで判断せず、塾が来てほしいと考えている生徒や保護者の聞き方を想定して、いくつもの質問で確かめることで、塾の現在地が見えてきます。

ナラティブ一致度とは:AIが語る推奨理由と、教育方針のずれ

名前が挙がることは入口にすぎません。次に見るのは、AIがその塾を「どんな理由で」すすめているかです。

ナラティブ(narrative)は「語り」や「物語」という意味の言葉です。ナラティブ一致度では、AIが語る推奨理由を読み取り、塾が伝えたい教育方針とどれだけ一致しているかを確かめます。

たとえば、塾が大切にしているのが「一人ひとりの理解に合わせて進める指導」であるのに、AIが別の特徴を推奨理由として語っている。そうしたずれがあると、AIの答えを見て関心を持った保護者が、塾が本当に届けたいものとは違う期待を持って問い合わせることになります。

AIが語る言葉は、塾が発信してきた情報や、塾について書かれたさまざまな情報をもとに組み立てられます。ずれが見つかったときは、塾の発信の中で何が伝わり、何がまだ伝わっていないのかを考える手がかりになります。

一次情報サイテーションとは:AIの根拠に、自塾の発信が使われているか

3つ目の指標は、AIが答えの根拠として、どの情報源を参照しているかです。

一次情報とは、塾自身が発信する情報のことです。塾のWebサイト、教室の案内、保護者向けの発信などがこれにあたります。サイテーション(citation)は「引用」や「出典」という意味です。一次情報サイテーションでは、AIが参照している情報源を洗い出し、自塾のサイトや発信が根拠として使われているかを確認します。

自塾の発信が参照されていれば、AIは塾自身の言葉をもとに塾を語りやすくなります。反対に、参照されているのが塾以外の情報源ばかりであれば、塾が伝えたいことがAIの答えに反映されにくくなります。ナラティブ一致度とあわせて見ることで、ずれがどこから生まれているのかを読み解くことができます。

なぜ、塾・学校にとって大切になってきたのか

3つの指標を並べると、次のような流れになります。

  • AI想起率:名前が挙がるか
  • ナラティブ一致度:どう語られているか
  • 一次情報サイテーション:何を根拠に語られているか

これは、保護者が塾を知り、関心を持ち、信頼するまでの流れと重なります。これまで塾が、チラシや教室の掲示、Webサイト、広告で丁寧に伝えてきたことが、AIの答えの中でも同じように伝わっているか。3つの指標は、それを確かめるためのものです。

検索やポータルサイトでの見え方は、これまでも多くの塾が確かめてきました。そこにAIという入口が加わったいま、AIでの見え方もあわせて知っておくことで、これからの発信の優先順位をつけやすくなります。ブランディングやサイトの改修を行ったときに、その効果を新しい角度で確かめる物差しにもなります。

また、AIの答えは質問するたびに変わることがあり、同じ質問でも、AIによって参照する情報源が大きく異なることがあります。保護者や生徒がどのAIを使うかは、人によって違います。ひとつのAIの答えだけでなく、いくつかのAIで確かめることも大切です。

測り方:4つのステップ

AI想起率は、次の流れで測ります。

  1. 質問を設計する:塾が来てほしい生徒や保護者を想定し、地域と対象(中学受験・高校受験など)を指定して、塾名を入れない質問をつくる。語られ方を確かめるため、塾名を挙げてたずねる質問もあわせて用意する
  2. 複数のAIに、何度かたずねる:ChatGPT、Gemini、Claudeなど、保護者や生徒が使うAIに同じ質問を投げる。AIの答えは質問するたびに変わることがあるため、同じ質問を複数回たずねる
  3. 回答を記録する:挙がった塾名、推奨の理由、参照された情報源を記録する
  4. 3つの指標で読み解く:名前が挙がった割合、語られ方のずれ、根拠になった情報源を整理し、整える方向を決める

大切なのは、保護者や生徒と同じ立場で質問することです。カフーブランディングのAI想起率測定サービスでは、塾が想定している生徒像や地域をお伺いしたうえで、この流れを測定からレポート・ご提案まで一貫して行います。

これまでの広報を生かして、AIでの見え方を整える

AIに正しく語られるために、まったく新しいことを始める必要はありません。塾がこれまで積み重ねてきた指導の実績や、教室の様子、保護者に向けて伝えてきた言葉は、そのまま大切な一次情報です。

私たちは、教育メディア「ジュクタン」を2015年から運営し、2026年夏にはAIを搭載したデジタル版へリニューアルしました。保護者や生徒が進路や塾選びを相談できるAI「教えて、ジュクタンAI」も、企画から設計、運用まで自社で手がけています。AIに語られる側と、AIをつくる側。その両方の経験を、塾・学校の情報設計に生かしています。

まずは、あなたの塾がいまAIにどう語られているかを知ることから。現在地が分かれば、これまでの広報のどこを生かし、何を補えばよいかが見えてきます。AIO対策の考え方と、ジュクタンでの実例は「塾・学校のAIO対策とは」でご紹介しています。

この記事は、株式会社カフーブランディングが執筆しました。調査と構成の検討にAIを活用し、内容の確認と文責は当社が持っています。